こんにちは、Yatzです!
「借金が多い会社って危なくない?」
「借金まみれの経営者って、なんか不安…」
そう感じる方も多いでしょう。個人のお金感覚だと、借金=悪、借りすぎ=無能という先入観が生まれやすい。しかし実際には、借りられるということ自体が信頼の証であり、戦略性と実行力が伴う経営判断なのです。
今回は、「借入多め=無能」と見なされる風潮に対し、ファイナンス視点や現場の実例を通じて反論していきます。逆に、「無借金経営こそが無能の象徴では?」という視点から、借入の本質とレバレッジ効果について掘り下げていきます。
無借金経営=有能?それ、本当?
多くの人が家庭の家計感覚で借金を捉え、「借りない=安全」「無借金経営=堅実で優秀」と思い込みがちです。しかし、経営において“安全すぎる”という姿勢は、リスク回避ではなく「成長の放棄」を意味することがあります。
企業経営でも、必要なときに勝負を仕掛けない無借金経営は知能も本能も欠いた“何もしない無能”なのです。
無借金経営のデメリット それ、むしろ「無能」では?
無借金経営には確かにメリットがあります。返済リスクがなくキャッシュフローが安定しやすいなど。しかしそれ以上に問題となるのが、“機会損失”と“成長放棄”という重大なデメリットです。
- 設備投資や人材確保が遅れ、競合に遅れを取る
- 銀行との信用構築ができず、いざという時に資金が調達できない
- 「借金=怖い」という思考停止で、経営者としての成長が止まる
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んふふ、“借りられない”というのは…無能の証でもありますぞ
借入ができる=有能な経営者の証拠
借入をするということは、金融機関の審査を通過して「この会社なら貸しても返してくれる」と信頼されている証です。つまり、借入実績は、経営者としての実力と信頼性のバロメーターでもあります。


未来を見据えた経営判断をしたリーダーとしての視野と覚悟を持っている人は成長も早いですね。
そして、その景色は無借金経営を自慢している経営者には決して見ることが出来ないものです。
借入の本質は「レバレッジ」= 成長の加速装置
自己資本に借入資金を加えることでより大きな利益を狙う仕組みをレバレッジ効果と呼びます。
そのため金融業界では、借入を利用することを「レバレッジ」と呼びます。
- 自己資金だけでは届かないスケールの投資ができる
- 利益率を高め、キャッシュフローの拡大が可能に
- 人材・設備・マーケティングに先行投資ができる
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財務体質の強化と成長戦略の両立には、適正な借入が不可欠だ
経営者が無借金にこだわるあまり、チャンスを逃し続けることこそが“無能”とされる理由です。
無借金と借入のイメージ
自己資金のみと、借入を行った場合の事業資産と売上高への効果のイメージを記載してみます。


事業は、【調達した資金】を機械などの【事業のための資産】に変換して、それをもとに事業を行い、売上および【利益】を創出いきますので、事業資産が多くなれば売上は大きくなり、利益も大きくなるのは分かるかと思います。
上記では図2の方が、図1より売上高、利益ともに大きくなります。
【重要】レバレッジ効果を考えてみる
では、具体的に数字を踏まえて考えてみます。投資額の10%のリターンが期待できる事業があったとします。
①自己資金1,000万円
②自己資金1,000万円+借入4,000万円
の場合では、それぞれいくらのリターンが考えられるでしょうか。
①の場合では、
1,000万円×10% = 100万円 が利益となります。
②の場合はどうでしょうか。
(1,000万円+4,000万円)×10% = 500万円 が利益となります。
「そりゃそうだろ!」と思ったあなた。ちょっと待ってくださいね。
あなたはどちらも自己資金は1,000万円なのにリターンが違うわけです。
自己資金に対してのリターンを考えてみます。
①は、自己資金1,000万円に対して100万円の利益となり、10%のリターンです。
一方で、
②は、自己資金1,000万円に対して500万円の利益となり、50%のリターンになります。
つまり、例の場合だと借入を行うことで5倍もリターンに差が出ることになります。
※実際には金利返済分もありますが、例えば仮に50万円分を返済に充てても4倍以上もリターンに差が出ます。
借入によって利益が「てこ」のように拡大することが、借入が「レバレッジ」「レバレッジ効果」と言われる所以です。
レバレッジ思考
薬局経営でも同様ですね。1店舗ずつ出店するオーナーもいれば、同じ自己資金、同じ時間軸で3店舗、4店舗出店するオーナーもいます。
借入れにはリスクも伴いますが、その先にはだからこその差が生まれることになります。


大きな成果を生むために借入は有効な選択肢になります。
“借りる=負け”ではなく、“借りて勝つ”のが今の経営戦略なのです。
さいごに:借入を恐れるな、“無借金=無能”時代へ
「無借金経営だから安心」「借入があるから無能」――そんな単純な評価軸は、いまや時代遅れ。むしろ、そうした考え方こそが“無能”の象徴になりつつあります。
実際、いまだに「うちは無借金経営だから」と自慢げに語る経営者に出会うことがありますが、それは裏を返せば、資金を活かして成長に賭ける勇気も戦略も持たないということ。今の時代においては、そうした姿勢の方がよほどリスクといえるでしょう。
重要なのは、時代が変わったというよりも、金融リテラシーの向上によって、借入が正当に評価されるようになったという点です。
適切にリスクをとり、成長のための戦略を描けるかどうか――。その力こそが経営者に求められており、「借りられる力」は信用の証であり、経営者としての覚悟と実行力のあらわれです。
借入を上手に活用して企業の可能性を広げる。そんな攻めの経営こそが、これからの時代にふさわしいリーダーの姿だと考えています。
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