こんにちは、ヤツPです!
今回は、薬学生や薬剤師を目指す皆さんに向けて、「将来、年収1000万円以上も目指せるキャリアのひとつ」として注目される“コンサルタント”という職業をご紹介します。
病院や薬局での勤務が王道ではありますが、「本当にそれだけ?もっと自分に合った道があるかも」と感じる方もいるのではないでしょうか。
実は今、コンサルティング業界では医療や科学的知見を持つ人材の需要も高まりつつあり、薬学部出身者にとっても、将来的にキャリアの選択肢になりうる現実的な道になってきています。
ぶっちゃけ、薬剤師という職種を貫いても給与は頭打ちの将来が待っています。一方でコンサルに関しては、社会に出てから論理的思考や課題解決力を武器に経験を積めば、30代前半でも1,000万円以上の水準を目指すことも可能な業界です。
特に今は、AIやDXの加速によって企業の変革ニーズが高まり、専門人材を社外から登用する流れが強まっています。それに伴い、未経験や異業種出身者にも広くチャンスが広がっているのです。
本記事では、コンサルの基本から種類、そして“なぜ今チャンスなのか”をわかりやすく解説します。「薬剤師の資格を活かして、将来もっと多様な働き方を選びたい」と思う方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
コンサルとは?
「コンサルって、つまり何する人?」
実はこの問いに、はっきりとした“唯一の正解”はありません。なぜなら、コンサルタントに国家資格はなく、定義も業界も多様だからです。
一般的な「定義」のいくつか
- 広義の定義:
「クライアントの課題を見つけ、解決に向けた助言や実行支援を行う専門家」 - 業界別の定義:
戦略、業務改善、IT導入、人事制度設計、政策提言など、ジャンルによって支援の内容は大きく異なる - 法律や公的定義:
存在しません。税理士や弁護士のような“資格制度による定義”はないのです。
「名乗れば誰でもコンサル」なのも事実
現代では、SNSやX(旧Twitter)上にも「〇〇コンサル」を名乗る人があふれています。
特に薬剤師界隈でも、
- 「薬局経営コンサル」
- 「キャリア支援コンサル」
- 「転職アドバイザー=コンサル」
- 「薬剤師×コンサル」
といった肩書きが日常的に使われています。
そう、極論すれば“自称すれば誰でもコンサル”なんです。
!でも…「本物のコンサル」はそんなに甘くない
表面だけをなぞれば、「誰でも名乗れる」「自由にアドバイスすればいい」と思われがちなコンサルですが、実際には非常に高度なスキルと責任が求められる専門職です。
- 論理的に課題を構造化し、
- 客観的データを分析し、
- クライアントの意思決定を支援し、
- 必要に応じて“実行フェーズ”まで伴走する
つまり、「単なるアドバイス屋」ではなく、経営判断に影響を与える実行責任を持ったプロフェッショナルなのです。
そして、本物のコンサルにならない限り年収1,000万円超は現実にはなりません。
相手の期待に応え続けることで初めてコンサルとして認められるものだと考えています。

“コンサル”は肩書きじゃない。相手の未来を預かる責任のある仕事なんです。
コンサルタントの歴史と起源 〜世界と日本の歩み〜
そんなコンサル業ですが、どのような歴史を辿ってきたのでしょうか。
起源:20世紀初頭、アメリカで生まれた「技術顧問」
コンサルティングの原点は、ビジネスの課題解決ではなく「技術支援」でした。
その先駆けとなったのが、1886年にアメリカ・ボストンで設立されたアーサー・D・リトル(Arthur D. Little)です。創業者はMITの科学者で、当初は化学工業などの企業に対して研究・分析のアドバイスを行う“技術顧問”でした。



最初は“経営”よりも“科学と技術”。そこから企業の戦略支援へと進化していったんだ。
拡大期(1920〜1950年代):マネジメントの近代化
産業化が進んだアメリカでは、鉄鋼・石油・自動車業界の巨大化により、企業経営の効率化ニーズが高まりました。
ここで登場するのがフレデリック・テイラーによる科学的管理法(Scientific Management)。これを背景に、組織設計・人材配置・業務最適化を支援する“マネジメントコンサルティング”が発展しました。
この時代に設立された代表的ファーム:
- Booz Allen Hamilton(1914年)
- McKinsey & Company(1926年)
- A.T. Kearney(1937年、マッキンゼーから独立)
戦略時代(1960〜1980年代):知のプロフェッショナルへ
1963年、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が登場。
同社は「市場成長率×市場シェア」のマトリクス分析=PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)を開発し、経営戦略を“数値で設計”するという革新をもたらしました。
さらに1973年にはベイン・アンド・カンパニーが設立され、「成果報酬型」の支援スタイルを導入。コンサルは単なる提案者から、「経営者と一緒に走る実行支援者」へと進化していきます。



ただの“お勉強屋さん”じゃなくて、“企業の戦略パートナー”になったのがこの時代ね。
多様化(1990〜2000年代):ITと会計が加わる
1990年代以降は、SAPやOracleなどのERP導入支援が広まり、ITコンサルという領域が急拡大。
同時に、Big4(デロイト、PwC、KPMG、EY)などの会計事務所が戦略・業務・ITに参入し、総合系コンサルが台頭しました。
アクセンチュア(旧アンダーセン・コンサルティング)はこの時代に存在感を強め、コンサルの裾野は一気に広がっていきます。
現代(2010年代〜):DX・人材・社会課題へ
現在のコンサルティングは、以下のように多様化しています:
- デジタルトランスフォーメーション(DX)
- AI・データ分析
- 人材戦略・組織改革
- ESG・サステナビリティ
- 医療・介護など特化領域の支援
“万能型”ではなく、“専門分野に強い”コンサルタントが活躍する時代に入っています。
日本編:受け入れから発信へ ― 国産ファームの台頭
導入期:1960〜1980年代
日本では戦後の高度経済成長とともに、海外ファームが進出してきました。マッキンゼー東京支社(1971年)、BCG東京(1975年)などがその代表です。
最初は外資系のモデルをそのまま導入していた形でしたが、徐々に日本市場に特化したノウハウが必要とされるようになります。
発展期:1990年代
- 野村総合研究所(NRI)や日本総研などのシンクタンク系が台頭
- アビーム、ベイカレント、日本経営、船井総研など、日系コンサルファームが確立
- 医療・介護・中小企業支援など、日本独自の課題に対応する専門特化型も増加



ワシら日本人向けの“ニッポン流コンサル”も、ちゃんと育っておるんじゃな!
このように、コンサル業界は「経営の高度化」とともに進化し続けてきました。今では医療・介護・科学といった領域でもコンサルティングの価値が高まっており、薬学部出身の人材がビジネスの現場で活躍する余地も広がっているのです。
なぜ、コンサルを進めるのか? ➡ それは入社できるチャンスだから!
いままでのコンサル入社者
コンサルタントといえば、かつてはごく限られた“選ばれし人材”だけの世界でした。
- 年収は非常に高水準(新卒でも年収700〜900万円クラス、数年で1,000万円超)
- ただし、その分要求される能力も非常に高く、地頭・胆力・論理思考・プレゼン力すべてが問われる
- 採用の中心は、東大・京大・早慶クラスのトップ層
- 海外MBA保持者や外資系金融・総合商社出身者が中途でも強かった
- 中途採用においても、「即戦力」としての業界経験者が前提
- マッキンゼーやBCG、ベイン、アクセンチュア戦略部門などの大手は、門が狭く、ハードルが極端に高かった
つまり、「知っていても、実際に挑戦できる人は限られていた」というのが、これまでの現実でした。
コンサル業界での求人が加速度的に増えている
ところが今、その常識が大きく変わり始めています。
背景にあるのは、クライアント企業側の“専門人材の慢性的な不足”です。
- DX、AI、ESG、人的資本経営、サイバーセキュリティ……
- 自社だけでは追いつけない分野が急増し、「とにかく誰かプロに頼まないと始まらない」という企業が増加中
- かつて内製化していた戦略立案や業務改善、IT構想なども、外部のコンサルに頼る流れが加速
さらに、企業課題は複雑化し、スピードも上がっています。
- 「データを活用した新規事業をつくりたい」
- 「現場を変えたいが、どう進めていいか分からない」
- 「AIを使った意思決定がしたいが、人材がいない」
そんなとき、「考えて、進めてくれる外部人材=コンサル」が圧倒的に頼られる存在になっているのです。
医療業界も例外ではない
医療・薬局業界も今、構造改革の渦中にあります。
- 医療費抑制、地域包括ケア、患者体験の改善
- 電子カルテやレセプトだけではなく、“経営”として医療を考える視点
- 「医療×ビジネス」「ヘルスケア×IT」の領域は急拡大中
ここにおいて、薬学的知識をもったコンサルタントが求められる機会が確実に増えています。
今までと違う“広がる門戸”
こうした背景から、コンサルファーム各社はかつてない規模で人材を採用中です。
薬剤師・薬学生といった医療サイド出身の人材にチャンスが回ってきている。
新卒だけでなく、異業種出身の中途人材も大歓迎
医療、教育、金融、小売など業界経験を持つ“専門人材”が、むしろ求められている。



チャンスがあるのに知らないのは勿体ない!だから、知って欲しくて記事にするわけです。
コンサルの4分類と代表企業(特徴比較)
戦略系ファーム


経営戦略や新規事業など、トップマネジメントの意思決定を支援することがメインとなります。
主なクライアントが経営層となるため、抽象度高めですが大局を決して外さない、かつプレゼン資料の質が非常に重視されます。
他に比べて「手を動かす」よりも「考える」仕事が中心。実行フェーズまでは関与しない場合も多いのが特徴です。
特徴: 経営層(主なクライアント)に直結/仮説思考/高報酬・高離職
代表企業: マッキンゼー、BCG、ベイン、Kearney、ADL
向いている人: 知的体力があり、論理で勝負したいタイプ



ほんで結局、一番キツいけど年収エグいのが戦略系ってことやな!
総合系ファーム


戦略〜実行までの広範な業務領域を一気通貫で支援出来ることが強みとなります。戦略系と異なり「手を動かす」ことが求められます。当然、クライアントへの常駐案件も当たり前のようにあります。IT/DX・業務の実行支援に強いファームが多い印象です。
特徴: 戦略〜実行までフルカバー/チーム連携重視/領域ごとの専門性
代表企業: アクセンチュア、デロイト、PwC、KPMG、EY、NRI、ベイカレント
向いている人: 実行力と調整力、協調性がある人



BIG4と呼ばれる、デロイト、PwC、KPMG、EYはここに入るんだね。
シンクタンク系ファーム


公共政策、調査研究、産業分析など官公庁・地方自治体向け支援が中心とクライアントは「公的機関が主」となります。(民間企業向けも行うが少数)
特徴: 官公庁・公共機関向け/調査・制度設計/学術寄り
代表企業: 日本総研、三菱総研、NTTデータ経営研究所、富士通総研
向いている人: 社会課題に関心があり、リサーチが得意な人
専門・特化系ファーム
業界(医療・製造など)または機能(業務、IT、人事、財務)に特化した支援を行うファームとなります。〇〇コンサルのように専門分野(例:医療、会計、物流など)を明確にしているケースが多く、このカテゴリには中堅企業や中小企業向けも多くなります。他分類が総合支援を志向するのに対し、「ある専門領域における深い知見」が売りとなり、再生・M&Aなど一発勝負系もこのカテゴリに位置します。
特徴: 医療・介護・建設など特定業界に特化/現場密着/“泥臭さ”あり
代表企業: 日本経営、山田コンサル、船井総研、メディヴァ、タナベコンサル、IGPI、REVIC
向いている人: 業界愛や現場感があり、行動で解決したい人



ワシでも医療コンサルになれるかのう? なんだか楽しそうじゃ!
まとめ:薬学部から“自分だけの道”を描くために
コンサルは、もはや「選ばれたエリートだけの特別な道」ではありません。
しかし、いまや薬剤師・薬学生にも、十分に開かれたキャリアのひとつです。
ヘルスケアという分野は、昔から社会の根幹を支え続けてきました。
だからこそ、外からは見えにくい規制や慣習に縛られている面もある。
しかし、そこにこそ「変革」が求められている時代です。
薬学部で培った薬学的な専門性と、コンサルに求められる論理的な思考力。
この2つを掛け合わせれば、医療×ビジネス、現場×戦略という、
これまでにないキャリアの扉が開かれるはずです。
キャリアは一本道じゃない。
「分析して、提案する」──そんな選択肢があることを、
いま知っておくだけで、将来の視野は確実に広がります。



進路選びは甘くない。ただ――知っている者だけが、“有利な選択”ができる。
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