薬局長止まりのキャリアに悩む―大手調剤企業の“成長限界”と選択肢

こんにちは、ヤツPです!

「大手に入れば将来は安泰」――そんな希望を胸に、新卒で大手調剤薬局や大手ドラッグストアに就職した方も多いのではないでしょうか? 確かに、かつては店舗拡大の波に乗り、チャンスも多く、昇進のスピードも早かった時代がありました。しかし現在、その流れは大きく変わりつつあります。

薬局長になったものの、そこから先がまったく見えない。エリアマネージャーや本社勤務を目指しても、一向に声がかからない。

「自分にはスキルが足りないのか?」「周囲はどうやって出世しているのか?」と悩む声があちこちから聞こえてきます。

今回は、調剤薬局業界が置かれた現状と構造的な課題を見つめ直し、次のキャリアをどう描いていくかを考えていきます。

目次

調剤薬局業界、成長期から成熟期へ

急膨張した2000年代~2010年代

2000年頃に処方箋発行率が50%を超えたことで、調剤薬局業界は成長期に突入。店舗数や従業員数が飛躍的に増加し、多くの人材が求められました。
このころは、イケイケどんどんのため、割と声の大きな人は少ない年数でエリマネから本部人員に上がるというケースも少なくありませんでした。

成長鈍化と成熟期の到来

しかし現在、成長は頭打ち。処方箋の総数も分業率も上限に達しつつあり、業界は完全に成熟フェーズに入っています。そうなると新たなポストは生まれません。

再編と淘汰の時代へ

店舗数が多いがゆえの競争、M&Aの加速、そして人件費や薬価の問題など、企業は「守りの経営」に移行中です。
売上高だけでなく、利益を重視する経営意識も高まると、規模が多くなってもポストが増えるとは限らず、むしろポストは減る傾向も見られます。

>詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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上のポストが詰まっているのは「当たり前」の構造

管理職は30~50代で固定化

調剤薬局業界は歴史が浅いため、現在の管理職世代(30~50代)はまだ現役バリバリ。年齢も近いため、若手が割って入る余地が少ない構造です。

江戸川コナン

成長期にポストを取った人たちが、今も居座ってるってことだね

評価基準の曖昧さが昇進を妨げる

スキル・実績・貢献度…評価項目が曖昧なため、努力だけでは報われないことも珍しくありません。

灰原 哀

それ、ただの“社内ゲーム”ね。ルールが見えない時点で公平じゃないわ

本社やエリアマネージャーは狭き門

「管理薬剤師⇒エリアマネ⇒本社」という出世ルートが想像されがちですが、実際に進めるのはごく一部。しかも、そのポジションが“本当に魅力的か”も見極めが必要です。

服部 平次

ほんで、結局“上がれる人”ってどんなヤツやねん!?

「社内で勝ち上がる」か「卒業する」か、次のキャリアを考えろ!

「優秀」でも昇進できない現実

いくらスキルがあっても、“上が詰まっている”以上は昇進のチャンスは限られます。しかも、ピーターの法則が示すように、折角のポストも無能な人材で埋め尽くされており、心情的にも納得できないという状況もあるかと思います。

ピーターの法則
有能さを発揮できていた地位から、無能ぶりを露呈することになる限界の地位まで昇進させられることにより、組織全体に無能な人間があふれてしまう法則のことを指します。

さらに、多くの企業では降格制度がなく、一度そのポジションに就いた人は、たとえ能力不足であってもそこに居続ける傾向があります。その結果、無能な人材が上のポストを占め続け、空きが出ないという構造的な問題を生み出しています。

キャリアは「年齢×情報量」で決まる

年齢が若いうちは柔軟に動けます。本社に移動するのと転職するのと今までのスキルを使いつつ、新しいことを挑戦するのにそう違わないハズです。
いざという時に素早く動けるためにも、自社の状況を冷静に分析し、社外の選択肢にも目を向けておくことが重要です。 慌てず、情報収集を習慣にしましょう。

阿笠博士

ワシも自社しか見てなかったのう…外に目を向けておけばのう…

「勝てる場所」で戦うという選択

今の会社でポストが無いなら、「勝てる場所」へ移る(=転職)のも一手。転職は逃げではなく、“自分にとって意味ある選択”になり得ます。

一昔前は転職経験やその転職回数が多いこと自体マイナスでしたが、現状では転職の未経験=使えない人材という意識が日本でも根付いて来て、むしろ転職の内容によってはポジティブに捉えられるケースも増えております。

まとめ “上が詰まってる”のは構造のせい。だからこそ、動く準備を

調剤薬局業界はすでに成熟期。かつてのような成長とチャンスは望めず、昇進の道も極めて狭くなっています。

そんな時代だからこそ、

  • 社内で評価されるための動き方を戦略的に考える
  • 一方で、他社や他業界に目を向けて「キャリアの選択肢」を増やしておく

この“両輪”が欠かせません。

今の会社でポストが詰まっているのは、あなたのせいではなく、構造的な問題。だからこそ冷静に分析し、自分らしいキャリアの道を模索していきましょう。

赤井秀一

キャリアにおける最大のリスクは、思考停止だ。進むも留まるも、選択と準備次第だ

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