薬剤師も目指せる?戦略コンサルのリアルな働き方とキャリア

こんにちは、ヤツPです!

「戦略コンサルタント」と聞くと、経営者と肩を並べて議論し、次々と企業の未来を決める華やかな姿を想像する人も多いでしょう。しかし、その裏側は徹底的に泥臭く、存在しないデータまで探し出そうとする果てしないリサーチと、仮説を立てては壊す思考の連続に満ちています。

戦略コンサルは、企業の最上流で「どの事業を伸ばし、どの市場から撤退すべきか」といった経営の命運を決める支援を担います。求められる水準は極めて高いですが、その分だけ成長機会と報酬も飛び抜けています。

薬剤師だからといって、薬局や病院だけに進む必要はありません。もし「ビジネスや経営に関心がある」「将来は大きな意思決定に関わりたい」と考えるなら、戦略コンサルへのチャレンジする人生もアリではないでしょうか。

目次

戦略コンサルとは? 他のコンサルとの違い

戦略コンサルは、企業の最上流で「どこに進むべきか」を描く仕事です。

  • 業務系コンサル:業務フロー改善や効率化、BPRを通じた改革支援
  • ITコンサル:ERPやクラウド導入によるデジタル変革の実現
  • 戦略コンサル全社戦略、事業ポートフォリオ、新規事業、M&Aなど経営層の意思決定そのものを導く

つまり業務やITが「どう進むか」を支えるのに対し、戦略は「どこに進むか」を決める役割。スコープを誤れば企業全体の未来が狂うため、その責任は圧倒的に重くなります。

江戸川コナン

業務やITが“施工”なら、戦略は“設計図”。ただし設計を誤ればすべてが崩れるんだ。

戦略コンサルの仕事内容とリアル

戦略コンサルの現場は、とにかく思考とリサーチの連続です。

市場規模や成長率の調査、競合ポジショニング分析、顧客動向の把握といった徹底的な情報集めが日常。ときには公開データが存在しないテーマに挑むため、推計ロジックを組み立てたり、エキスパートインタビューを駆使して補完する必要があります。このときも、QAリスト(質問票)の設計を誤れば、表面的な情報しか得られず、調査が無駄に終わってしまいます。

さらに、プロジェクトは仮説思考の繰り返し。仮説を立て、データで検証し、壊し、また新たな仮説を構築する。その過程でアプローチが随時変わるのは当たり前で、柔軟に切り替え続けることが求められます。

また、業務系コンサルがクライアントと密に接して改革を進めるのに対し、戦略コンサルはファーム内での合意形成がメイン。マネージャーやパートナーとの論点整理に多くの時間を費やし、その上でクライアントに提示します。

このように、業務コンサルに比べて「思考そのものに没入する感覚」が強く、思考の深さと密度に圧倒的な違いがあります。

灰原 哀

“調整”が多い業務コンサルに比べて、戦略は“思考そのもの”に沈み込む仕事なのよ。

戦略コンサルの特徴

プロジェクトの特徴

戦略コンサルのプロジェクトは、クライアントの経営層が意思決定する最上流を担います。例えば「どの事業を伸ばすべきか」「撤退すべき市場はどこか」といった、企業の命運に直結するテーマを扱うのが特徴です。一方、総合系ファームの案件は業務改善やシステム導入といった実行フェーズが中心で、進むべき方向は既に定まっている場合が多く、効率的な実現が重視されます。つまり戦略は「方向性を決める」ことに責任を持ち、総合系は「方向性を実行する」ことに注力するという大きな違いがあるのです。

スキルの特徴

戦略ファームで求められるのは、経営層と短時間で議論を成立させるだけの高い論理力と、ゼロから仮説を構築する思考力です。特に、限られた情報の中から筋道を立て、相手を納得させる力は欠かせません。さらに、幅広い業界を横断的に学び取る知的好奇心や、仮説を立てては壊す柔軟性も必要です。

組織の特徴

組織面では、戦略ファームは少数精鋭を貫く点が特徴です。採用人数が限られているため、上司や同僚との距離が近く、日常的に高密度な議論や学びの機会があります。その一方で、常に成果を問われる緊張感も強い環境です。加えて、戦略ファーム出身者はその後、起業や大企業の幹部など幅広く活躍しており、在籍中に築くネットワークはその後のキャリアに大きな影響を与えます。対して総合系ファームは組織規模が大きいため、多様な人材が集まり学びの機会も豊富ですが、個々の関係性は希薄になりやすく、戦略ほど「濃い人脈形成」は難しい傾向があります。

総合系から戦略ファームへ行けるのか?

総合系から戦略系に移るのは非常に難しいのが現状です。書類を突破しても、ケース面接で多くが脱落。ここでは「模範解答」ではなく、地頭やセンス、ロジカルに課題を解く力が見られます。

総合系では「実行に落とす戦略」が多いですが、戦略ファームは「ゼロから描くピュア戦略」。求められるスキルセットが大きく異なります。

ピュア戦略
事業領域を明確に絞り込み、自社の強みを徹底的に活かして競争優位を築く経営戦略のこと。

さらに、学歴の影響も無視できません。 戦略ファームの採用実績では、東京大学・京都大学・一橋大学・早慶といった難関大学が中心。中堅ファームからの転職でも「東大・京大卒」というだけで可能性が広がるケースもあります。学歴だけで決まるわけではありませんが、戦略コンサルを目指すうえで“門をくぐる切符”として強く作用するのが現実です。

一方で近年は、AIやデータ分析などのテクノロジー知見、あるいは事業会社での企画・経営企画の経験を評価する動きも見られます。それでも総じて、戦略ファームは狭き門であることに変わりはありません。

安室透

学歴は門をくぐる切符になる。でも、それだけで生き残れる世界じゃない。最後に問われるのは“考え抜く力”です。

薬剤師に縛られず、選択肢の一つとして戦略コンサルを

薬剤師資格を持つからといって、キャリアは薬局や病院に限られるわけではありません。経営やビジネスに強い関心があるなら、戦略コンサルは選択肢の一つになり得ます。

新卒で戦略コンサルを見据えたキャリア設計は可能です。薬学生は6年間あるため、そのための情報集めやコミュニティ参加も機会は豊富に存在しています。一方で、中途は狭き門となっておりますので、総合系ファームなどで実績に加え、論理的思考と知見を積上げていくことで可能性は見えてくるかもしれません。

戦略コンサルは、思考に没入し、経営層の意思決定に食い込める唯一無二のキャリア。薬剤師としての枠にとらわれず、広い視野で未来を選択するなら、挑戦してみる価値は十分にあるでしょう。

赤井秀一

戦略コンサルは“思考の極地”。厳しいが、その先にしか見えない景色がある。

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